その金属の下、虫歯になっているかもしれません
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みなさんこんにちは。五反田みとめ歯科 院長の三留です。
本日は、金属で治療した歯が再治療になるケースについてのお話です。
みなさんの中には、かつて虫歯になって治療して「今日で治りました」と言われたはずなのに、何年かして痛くなったり、詰めたものが外れたり、あるいは、自覚症状がなくても歯科検診に行った際に「虫歯になっている」と指摘され「え!虫歯治した歯なのにまた虫歯になるの?」と思われた方もいらっしゃると思います。
虫歯を治療した歯でも、また虫歯になるんです!
一般の方の中には、一度治療した歯は二度と悪くならない。と思われている方がいらっしゃいますが、これは大きな間違いです。
人間の器官の中で「歯」というのはとても特殊な器官で何かトラブルがあった際に「自然に治る」という現象は絶対に起きません。歯に次いで硬い器官である「骨」は骨折した際、自らの治癒力で治ります。その際に同じところが折れないよう少し太めに、補強したような形で治癒する、とも言われています。
自動車に例えた話をしましょう。新車で購入(永久歯が生えてきた)し、しばらく順調に乗っていても、パンクしたり、エアコンが壊れたり(小規模な虫歯)、車検(歯科検診)でいくつか問題を指摘され部品を交換することがあります(小規模な虫歯の治療)。長距離走っていればタイヤも摩耗するので一定距離を走ったらタイヤ交換も必要ですす。では、一度部品やタイヤを交換した車は二度とそれらの交換をせずに済むでしょうか。現実的には長く乗れば乗るほど、自動車のさまざまな部分はどんどん劣化や故障し、交換や修理が必要になることは想像に難くありません。
永久歯は6歳から13歳くらいの間に28本が生え揃います。現在の平均寿命が男性で81歳、女性で87歳ですから軽く70年以上は機能しないと自分の歯で食べることができません。
先ほども言ったように歯は、一度虫歯になったら二度と元の状態には戻りません。また、歯というものは治療していない無傷の状態が最高に良い状態であって、どんなに精密で精度の高い、高額な治療を受けたとしても天然の生えたままの歯には勝てません。一度治療した歯を生涯二度と歯科治療の名の下に歯科医師が削ったり抜いたりすることがなければそれは天然歯に代わり、その機能を全うしたと言えるかもしれません。
前置きが長くなりましたが、写真の銀歯は縁のところが二次的な虫歯になり治療が必要で金属を削って外すと中がかなり酷い虫歯になっていました。
虫歯を削って型を取って金属を詰める、という治療は保険診療で長きにわたって行われており、現在も行われています。少ない費用負担で虫歯を埋めることができ、一定の強度があり機能回復も図れる良い方法だとは思います。しかし、金属は再治療になる確率が高い材料で、詰め物では
平均して5.4年で二次的な虫歯になり歯科医師により治療の名の下に歯を削り再治療が必要になります。これを繰り返すことで自分の歯のボリュームはどんどんなくなり最終的には抜歯に至ります。
結論、保険診療で行われる金属の治療は生涯の中で歯を失うリスクが非常に高い方法であると言えます。
「熱膨張係数」という言葉があります。どんな物質も熱が加われば「膨張」と言って膨らみますし、逆に熱が奪われて温度が下がれば「収縮」して体積が小さくなります。温度によって物質は伸び縮みする、ということです。
エナメル質と金属の熱膨張係数は、エナメルが約11で金属が約15で1.5倍ほど異なります。体温は概ね一定ですが、飲食する物の温度はアイスクリームのような冷たいものから熱々のスープやお茶のように極めて幅広く、その度に金属もエナメルも伸び縮みしますが、その度合いが大きく異なることで少しずつ歯と金属の境目が破壊されていき隙間から虫歯の菌が入ります。
また、飲食による温度の変化だけではなく、飲食物の性質によるpH(酸性、アルカリ性)違いもあります。歯科で使われる金属は『金銀パラジウム合金』と言い、金が12%、銀が約50%、その他、パラジウムや銅が含まれています。
この金属の性質としてイオン化しやすい、すなわちとても「錆びやすい」ことが言えます。熱膨張係数の違いだけでなく、それにプラスして錆びることでさらに境目が破壊されていきます。
また金属はセラミックやレジンと異なり歯と化学的に結合する「接着」という操作ができません。金属は「合着」と言って歯科用のセメントを歯と金属の間に介在させることで強く嵌まり込んだ状態にしているに過ぎず、化学的な
結合は得られていません。歯と金属の境目の封鎖が弱く熱や酸の影響でダメージを受けるたびに同時に歯科用のセメントも少しずつ破壊されていき、やはり二次的な虫歯を助長します。
このように保険診療で行われる金属の治療は非常に二次的な虫歯になりやすく再治療になり、その結果、歯を失う可能性が高くなる治療であると言えます。
金属や樹脂を使用した保険診療は10年経過で約半分が虫歯で再治療になるのに対してセラミックを使用してしっかりと歯に接着させた歯の場合、10年経過しても90%程度は健全に機能しているという研究があります。再治療の確率が低ければ低いほど、生涯に渡って自分の歯で食事ができる可能性が高く、すなわち全身の健康状態にも良い影響を及ぼすと言えます。
五反田みとめ歯科では精密で精度が高く、再治療の可能性が低いセラミックやダイレクトボンディングの治療を推奨しております。虫歯の治療してもしばらくして再発して何度も歯医者に通っている、
という方は是非一度ご相談ください。
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